国内で唯一現存の戦闘機「紫電改」
重要航空遺産に認定

国内で唯一、現存して愛媛県の施設で展示されている旧日本海軍の戦闘機、「紫電改」が歴史的に価値の高い航空機などを認定する「重要航空遺産」に選ばれました。

紫電改は太平洋戦争末期に開発された旧日本海軍の戦闘機で、昭和54年に愛媛県最南端の愛南町沖の海底から引き揚げられた機体が町内にある県の施設で保存・展示されています。

この機体が、日本航空協会が歴史的に価値の高い航空機などを認定する「重要航空遺産」に選ばれ、25日、展示施設で認定証の授与式が行われました。

式では日本航空協会の植木義晴会長から中村知事に認定証と認定プレートが渡されました。

重要航空遺産の認定は全国で13件目で、中国・四国地方では初めてです。

国内で唯一、当時の形で現存して展示されているほか、長年、海中にあったことで損傷はしているもののオリジナルの部分を残すような形で修復されていて、文化財的価値が高いことが認定の理由だということです。

中村知事は「戦後80年の月日が流れ語り部が少なくなっている中で、語り部に次ぐメッセージを持っているのが戦争を振り返られる遺産であり、認定は本当によいタイミングだと思う。紫電改を通じて戦争の悲惨さや平和について考えてほしい」と話していました。

【愛南町で展示されている紫電改は・・・】
「紫電改」は太平洋戦争末期、ゼロ戦に代わって戦局を打開する切り札として開発され、製造されたのはゼロ戦の4%程度の400機ほどとされています。

主に松山市にあった航空部隊に配備されました。

展示されている機体は、戦後30年余りたった昭和53年11月、愛南町沖の久良湾でおよそ40メートルの海底に沈んでいたものをダイバーが偶然、発見し、翌年の昭和54年7月に愛媛県によって引き揚げられました。

この機体は、昭和20年7月に長崎県の基地から出撃して豊後水道の上空で米軍機と交戦した紫電改のうちの1機と考えられていますが、遺留品がなく機体番号も判明しなかったためパイロットはわかっていません。

県は国内で唯一、現存する機体で、戦争を語り継ぐ貴重な資料として、愛南町にある施設で展示・保存してきましたが、建物の老朽化が進んでいるため、来年度中の完成に向けて同じ敷地内で新しい施設の整備を進めています。